こんにちは。れこぽんです🍋
個人的にスポーツ作品はあまり好みじゃなかったのですが
『チ。』と同じ作者ということで
アニメ映画『ひゃくえむ。』を観てみました。
今回はその感想を書いていきます。
※ネタバレを含みますので、観ていない方はご注意ください。
①100m走で勝つ本当の意味
まず、一番良かった場面は
小宮の問いに、トガシが「ガチになること」と言い切ったシーン。
その少し前のトガシの状況が良くなかっただけに、
どんな風に答えるのだろう、と思いながら観ていました。
でも、愛想笑いで濁すでもなく、ライバルとして牽制するでもなく、
正々堂々と自分の中の答えを言い切ったところが、
スポーツ漫画っぽくて清々しかったです。
100m走で本当の意味で勝つのは、その距離を一番本気で走れたやつで、
煌めく景色を知っているものこそが、強くて美しい、みたいな・・・。
そんな、映画の主題を出し惜しみせず、明確に示していたのはとても良かったです。
あと、松坂さんの声のお芝居が上手だったのも、良かったポイントです。
②「人生なんてかけなくたって…」が刺さった理由
もう一つ刺さったシーンは、公園の小学生二人とトガシの場面。
「人生なんてかけなくたって・・・」という言葉は、
子供たちではなく、自分に言い聞かせたんだろうな。
なあなあに選手人生を送っていた中で、また少しずつ結果が見えてきたのに、
足を怪我してクビ宣告をされたトガシ。
小学生の前で情けなく泣き崩れたところに、そのショックの大きさが窺えました。
言っていることと、実際の気持ちがズレれているからこそ、この言葉が刺さりました。
そして、悔しさに気付いたことで、再び本気スイッチが入ったのも熱い展開でした。
その後のシーンの
「俺はいつの間にか、明日を生きるために死んでいました」
っていうセリフも良かったです。
③新記録に執着する小宮の「虚しさ」
もう一つ印象的だったところは、小宮の執着と虚しさの対比です。
「100m走で新記録を出す」という執念が誰よりも凄まじい小宮は、
トガシとは対称的に、プロ選手として結果を出していきます。
しかし、強い執着が故に、海棠に抜かれた時に感じた「虚しさ」は一層強かった。
化け物のように強さを維持してきた人特有の脆さみたいなものが現れていました。
そこが小宮の魅力なんだと思いました。
あと、小宮が揺らいだ時にトガシの言葉がまた引っかかる展開が良かったです。
④残念だったところ
その反面、小宮がもつ狂気や執着の背景が、
いまいち伝わってこなかったところが残念でした。
靴がボロボロのまま走る練習をしてるとか、高校の行き帰りが長時間自転車通とか、
いろいろ訳があるのかな・・・と思わせる描写はあるけど、
「なぜそこまで強い執念に至ったのか」という描写は少なかった気がします。
トガシとの出会いや言葉は確かに印象的だけど、それだけじゃ薄い気がして、
観ていて釈然としない、不思議な気持ちになりました。
もう一つ、残念というより違和感を感じたのは
キャラクターの言語化能力が高さです。
もちろん、そこがこの作品の魅力だし、人気の理由であるのは分ります。
だけど、「どのキャラも、自分の気持ちや思想を言語化する能力が高すぎじゃない・・・?」
ということに気を取られすぎて、私はいまいち入り込めませんでした。
その理由は、通常のアニメより動き&演出が実写っぽくて、
漫画特有の非日常的なセリフと組み合わさると、ちぐはぐに感じたからかなと。
これは決して、セリフにリアリティーを感じないという訳ではなく、
ただ映画の世界感と合っていないような感じがしました。
(セリフだけが浮いているというか・・・)
走る時の息の演技とか、雨の演出とかは確かに素晴らしいのだけど、
もっと普通のスポーツ漫画っぽい演出の方が、
この漫画のセリフの良さを引き立てられたのかなと思います。
⑤人生に置き換えて観ることができる作品
『ひゃくえむ。』は、100mという距離を走る人たちの物語だけど
描かれている苦悩、不安、煌めきは、私たちの人生に置き換えて観ることができる作品です。
プロスポーツ選手って、全く違うステージの人たちだと思っていたけど、
「限られた時間をどう生きるのか」っていう視点で観ると、
共感することや学べることが沢山ありました。
ハマらなかった部分もあるけれど、この映画を観れて良かったです。


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