『新宿野戦病院』がクドカン屈指の名作だと思う3つの理由

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こんにちは。れこぽんです🍋

私のお気に入りドラマのひとつ
宮藤官九郎脚本の『新宿野戦病院』

放送当時は話題となりましたが
前作の『不適切にもほどがある』の方が高い評価を得たように思います。

しかし、最近あらためて見返してみると
「新宿野戦病院だって名作じゃないか?…」としみじみと実感。

この記事では

  • なぜ私が『新宿野戦病院』を名作だと思うのか。

その理由を3つあげてみました。

名作だと思う理由①:とにかくコメディーだから

まず、舞台が”歌舞伎町”ということもあって
ドラマ設定がかなりぶっ飛んでいます。

主人公の医師、ヨーコ・ニシ・フリーマン(ようこ)は元アメリカ軍医。
しかし、日本での医師免許を持たぬまま
歌舞伎町の「聖まごころ病院」で働くことになるーー
というなかなか強烈な導入です。

しかも、英語と岡山弁をミックスしたクセ強な話し方は
SNSなどで
「英語が気になってみれない」という声があがるほど…
(私はそこ含めて大好きだけど)

さらに、ヒロインの南舞は、
昼はNPO法人のエリア代表
夜はSM嬢
という、これまた度肝を抜かれる設定。

現実では「さすがにありえんだろ…」
という展開が毎話繰り広げられていきます。

しかし、クドカンの腕により
すべてがコメディーに振り切れているので
気付けばそのまま受け入れているーー

そして、細かい理屈なんて
どうでもよくなるくらい笑えます。

個人的なことですが、
ドラマ放送当時、家族のことで落ち込んでました。
でも、毎週『新宿野戦病院』を見終えたあとは
「あー今日もおもしろかった」
と、いつもすっきりしてました。

もちろんシリアスシーンもあるけれど
辛い時やどうしようもない時ほど
「笑うしかないだろ」ーー
と背中を押すような喜劇に仕上がっているのが
私的名作と言える理由の1つです。

名作だと思う理由②:忘れかけてた教訓を残してくれたから

クドカンがこのドラマの舞台に”歌舞伎町”を選んだのは
コロナ禍で私たちが学んだはずの教訓を、
もう一度描くためだったのではないかと思います。

ドラマ前半は

  • パパ活
  • ホスト売り掛け問題
  • 地下アイドルストーカー
  • 違法滞在外国人

といった、歌舞伎町が抱える問題をストーリーにしました。
まず、この街に生きる人たちの姿を丁寧に見せてくれます。

ところが、ドラマ終盤。
”歌舞伎町全体”が悪者になってしまう展開になります。


そのあらすじはこんな感じーー

コロナ後に発見された、新種のルミナウイルス。
再び世界中に疫病が蔓延します。
日本では、その感染一号者が歌舞伎町のホストだったことから
「歌舞伎町ウイルス」と呼ばれ、
街で生活する人たちに誹謗中傷が集中してしまいます。

そんな中、
ようこが医師としてテレビ出演をした際

「(ウイルスを)運んだのは人間です
「犯人捜しは意味がない」

誰かを悪者にして安心するのはやめよう
そういうメッセージを訴えます。

コロナを経験したにもかかわらず、
感染源を探したり、不用意に他者を追い詰めたり…
同じあやまちを繰り返しているーー
そんな状況を描きました。

これらのストーリーには

  • あやまちを繰り返すのが人間の業(現実)
  • だからこそ、繰り返してはならない(教訓)

という2つの視点があります。

クドカンはまず歌舞伎町で生きる人たちの姿を描き、
そのうえで彼らが社会から一方的に叩かれていく構図を見せることで、
「バッシングする側」(=世間)にNOを突きつけたのではないでしょうか。

他にも

  • 人間もウイルスも「生きようとしている」
  • 感染対策の大切さ
  • 他責思考と同じくらい、過剰な自責思考もよくない
  • マスクやワクチンをめぐる思考停止への警報

など。

『新宿野戦病院』は、
コロナ禍で私たちが学んだはずなのに、少しずつ忘れてしまっていることを、
もう一度思い出させてくれるドラマでした。

名作だと思う理由③:シビアな現実も描いているから

『新宿野戦病院』には、ぶっ飛んだコメディーの奥に
ブレない”土台”があります。
それは

いのちは平等
社会は不平等

というテーマです。

この2つを体現しているのが、
主人公・ようこと、ヒロイン・の対比だと思います。


ようこが背負っている「いのちは平等」

ようこは、長年戦地で軍医として働きました。
そこで彼女が見たのは、
「善人か」「悪人か」など関係なく、
人が等しく死んでいく現実です。

その価値観がよく表れているのが、このセリフ。

『金持ちだからってミサイルさけてくれんなぁ。
ブサイクもイケメンも皆平等にあぶねえ。』

戦場では、命に優劣なんてありません。
だからようこは、まごころ病院でも
相手が誰であろうと等しく(雑に)接します。
それが彼女なりの「いのちの平等」なのです。


舞が見ている「社会は不平等」

一方で、舞は違う視点でこの世界を見ています。

彼女は、何不自由なく育った“恵まれた側”の人間。
だからこそ、歌舞伎町で生きる人たちとの
圧倒的な格差を誰よりも自覚しています。

そんな舞が、とおるにこう言う場面があります。

『私にとってこの社会は平等じゃないから、むなしくないんです。』

舞は、
「かわいそう」「放っておけない」「助ける側でいたい」
という感情を原動力に、NPO活動をしています。

しかし、その動機には
どこか上から目線の危うさも含まれている。
トー横キッズのまゆが舞に反抗するシーンがあるように
そこを見抜いているからこそでしょう。

でも――
舞のような人がいなければ、
現実に救われない命があるのも、また事実です。


2人が示す「現実」

ようこは、
「いのちは平等だから」医師として人を救う。

舞は、
「社会は不平等だから」NPOとして人を救う。

価値観も動機も違うけれど、
どちらも「誰かを助ける」という行為にたどり着いています。

それぞれがシビアで残酷な現実だけれども
だからこそ見出せる「救い」を示しました。

おふざけやギャグが炸裂するドラマなのに
世の中の本質を冷静に捉えているところが
『新宿野戦病院』が名作だと思う所以です。

まとめ

今回は、私的
『新宿野戦病院』が名作だと思う理由挙げてみました。

個人的に
・看護師長の堀井さんと認知症の母の回
・ホームレスの患者と啓三(とおるの父)が同じ病床で並ぶシーン
が一番好きです。
他にも好きなギャグシーンはキリがないくらい…

次のクドカン連続ドラマも楽しみに待ちます。

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