『ぼくたちん家』はBLドラマじゃないの?黒髪の手越も見れる社会派ホームドラマの魅力

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こんにちは!れこぽんです。

しばらくブログをお休みしてましたが、

2025年後期はお気に入りのドラマが豊作⭐

その中で今回はーーー

「黒髪の手越が見れる!」「しかもBL!?」

という理由だけで飛びついたドラマ『ぼくたちん家』について書いてみます。

『ぼくたちん家』はBLドラマではない

単刀直入に、この作品はBLドラマではありません

私が思うBLドラマとは、男性同士の恋愛で魅せる作品のこと。

例えば最近だと『40までにしたい10のこと』『美しい彼』『チェリまほ』…

(個人的に『体感予報』が好き!)

あくまで恋愛における男性二人を描いています。

しかし、『ぼくたちん家』はそういう路線とは全く違います。

タイトルにあるように、主軸は「家」に集う「ぼくたち」の関係性。

その中に二人(ミッチーと手越)の恋愛描写はありますが、

中学生との「親子契約」だったり、金を横領した「母親」だったり

性別や血縁を超えた家族を描いている作品です。

『ぼくたちん家』のあらすじざっくり

ドラマ『ぼくたちん家』の序盤をまとめるとーーー

玄一と策の出会い

動植物園で働く波多野玄一(及川光博)中学校教師 作田策(手越祐也)

二人は玄一の職場でもある動植物園の公園スペースで偶然出会います。

玄一:ゲイ専用のパートナー紹介所に行っていたり

策:男性同士の名前が書かれた結婚届をもっていたり

二人が出会うまでの流れは、割とBLドラマっぽく進んでいきます。

ぼくたちの家:井の頭アパート

無断でペットを飼っていたのがバレた玄一。

ペットが飼えるけどボロボロの家・井の頭アパートと引っ越してきます。

そこいたのが、中学生の楠ほたる(白鳥玉季)です。

彼女はなぜか一人で暮らしています。

訳あり中学生・ほたる

ほたるは

  • 親がいない(母は横領で逃亡、父は再婚)
  • トー横キッズ
  • 3000万円を隠し持つ

という、普通の中学生とはかけ離れた境遇。

彼女は、赤の他人である玄一に
「父親のフリをして、担任(策)の三者面談を乗り切ってほしい」
と頼みます。

彼女を軸にドラマが展開されるのです。

主要キャスト

”ほんわかおじさん”を演じる 及川光博

ミッチーがこんな”ほんわかなおじさん”しかも”ゲイ”を演じるのは初めてでは?

最近はヒールやクセ強な役が多かっただけに、柔らかい雰囲気がとても新鮮でした。

及川さんは元々、中性的で艶めいた魅力をお持ちの方。

だからこそ、玄一の穏やかさ芯の強さを自然に表現されていて、

とてもぴったりなキャスティングです。

あと、ミッチーの唯一無二の気品が加わることで、キャラクター深みを与えています。

”真面目な教師”を演じる 手越祐也

歌がピカイチに上手く、バラエティーも華やかな、”陽”キャアイドル・手越祐也。

ドラマでは”影”のある青年教師・策を演じています。

金髪のイメージが強い彼ですが、作中で黒髪なのがとても新鮮!

ずっと前にドラマ『デカワンコ』に出演した時の黒髪の手越くんが個人的にとっても好みでした♡

ただ、「地味なゲイ男性を演じれる?」と疑っていましたが、

意外にも役と馴染んでいます。特に優しいセリフ回しが良いです。

玄一に振り回され、呆れながらも付き合ってあげちゃう策。

繊細な優しさを声に滲ませるお芝居です。やはり手越くんは声が良いんだな…

私が知る彼とは違う、新しい魅力を見れた気がします。

魅力

脚本がいい

ドラマで一番重要なのは、すばり脚本だと思っています。

『ぼくたちん家』はその土台がしっかりしていて、

同性愛×社会派ホームドラマ という新しい切り口

それなりに様々なドラマを観てきましたが、

『ぼくたちん家』は、どの枠にもハマらない作品だと思います。

BLドラマじゃないけど、ままならない同性愛を描いているし、

社会派ドラマほど強い問題提起はないけど

世間を映す鏡になっています。

今までのドラマ定型をするする~と抜けていくような

中間をいく軽やかさが魅力のひとつです。

全体的にコミカルな雰囲気

例えば、1話の最後で玄一ほたるの三人がアイスを食べるシーン

玄一の告白(自分がゲイであること)だけを切り取ると少々切ないですが

  • ファミリーアイスを食べながら三者面談をする
  • ほたるは真剣に父娘だと取り繕う

そんなちぐはぐな状況が、視聴者をクスっとさせてくれます。

無理がないセリフ

4話中盤の車中シーンでは

初恋の人のヒゲを大事にしてたが、ある時捨てられてしまい

好きだった自分の気持ちまでなくなった気がした、と話す

そんな彼に玄一

でも、なくなったってことは、あったってことですからね。

お菓子をぼりぼり食べながら、さらっと言います。

ここの及川さんの言い方も含め凄く良いです。無理がなくて!

何かを失っても、確かにそこにあった。その事実だけは自分の中に残る。

それに気付いた策はにっこりします。

期待の新人脚本家・松本優紀

脚本家を調べたら、これがデビュー作の新人さんでした!

香川県出身の松本優紀さん。

大学で映像制作を学び、卒業後は広告業界で作品を作っていたそう。

新人といっても、”映像”に関する実務経験は豊富のようです。

それでも、2023年のシナリオライターコンテストの受賞からわずか2年で

民放ドラマの脚本を担当するのは凄まじいですね。

作中&エンディングの歌がいい

ミッチーと手越の歌唱シーン

波田野玄一は元シンガーソングライターということもあって

だいたい?各話でミッチーの歌唱シーンが挿まれます。

8話では、策が自分の育った児童施設の前で「翼をください」を歌うシーンもあります。

手越くんの歌唱力が隠しきれてなくて、下手に歌ってるのがやや不自然でしたが…

ほのぼのとした歌が物語のちょっとしんどい展開を緩和してくれます。

EDは3人で歌う『バームクーヘン』(ザ・ハイロウズ/甲本ヒロト)

バラバラな歌い方

エンディングは甲本ヒロト作詞・作曲の『バームクーヘン』(1999年)を

玄一、策、ほたるの三人が歌っています。

ミッチーは役の玄一としてふわっとした感じ

手越は策じゃなくて、まんま手越としてハツラツとした感じ

ほたるは、演じている白鳥玉季のナチュラルで等身大な感じで歌っています。

敢えて?歌い方がバラバラなのが良いです。

それぞれに形があって、みんないい!っていうのを歌で表現しているのかな。

ドラマのシーンにエンディング曲が被ってこないのも個人的に好きです!

ドラマにも通じる歌詞の意味

何せ、この曲の歌詞がドラマにぴったりです。

鳥は飛べる形 空を飛べる形 

僕らは空を飛べない形 だらだら歩く形

たとえでっち上げたような夢も 

口から出まかせでもいい 

現実に変えていく 僕らはそんな形

翼をもって生まれるよりも

僕はこの両手が好き

自分の愛する人が少し違うとか、周りの友達と違う家庭環境とか、

周りとは違う形に悩んだりするんだけど

『恋と革命!』みたいな出まかせを口にして

楽しく歩いて行けるのがぼくたちの形だよね

ということを言い得ている歌詞ですよね。

また「翼をもって生まれるよりも~」のところは、

8話で策が歌った『翼をください』とは逆説的なのがいいです。

プロデューサーの方が企画書を書きながら聞いていたようなので

むしろ、この曲を元に『ぼくたちん家』が作られたと言えるかもしれません。

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性的マイノリティの描写

私にはマイノリティの描写がドラマと現実とズレていても気づけませんが、

この作品内に漂う「リアルさ」は心地よく、かなり自然だと感じてました。

その理由がインクルーシブプロデューサーだったことが、この動画で判明しました。

インクルーシブプロデューサーとは

作品内の性的マイノリティの描写が当事者を傷けたり、現実と乖離したものにならないよう、脚本・演出の面から監修したり、監督と俳優さんとの間に入ってやりとりをする人のことです。

『ぼくたちん家』では、白川大介さんという方が担当しています。

動画にもあるように、白川さんのアドバイスで、玄一と策のお芝居が変化しているのが分ります。

こういった細かい指示は、当事者の方じゃないと出来ない部分です。

1つ1つの描写を丁寧に作り上げているからこそ、『ぼくたちん家』の優しい雰囲気が作られていたのだと納得しました。

まとめ

BLドラマを期待してた人には物足りないかも

冒頭で述べたように、『ぼくたちん家』はBLドラマではないので、

ミッチーと手越のイチャイチャシーン♡

などを期待していた人には物足りない作品だと思います。

(※全くない訳ではない)

ひとつのドラマ作品として良作!

私もどちらかというと、手越祐也のドラマ復帰作として見始めたのですが

それを抜きに、ひとつのドラマ作品として良作でした。

私のベストオブドラマを超えてきませんが、

2025年後期のドラマの中で一番好きな作品でした。

最終回を楽しみにしています♡

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